浮気の慰謝料相場と計算方法

慰謝料請求について

浮気の慰謝料相場と計算方法

一概に慰謝料と言っても、離婚の原因や収入により様々であり、人によって大きく異なります。具体的な慰謝料算出方法は厳密に言ってしまえば存在しませんが、第二東京弁護士会が裁判での基準をもとに試案して提出している算出方法があります。
しかし、実際の法律として成立しているものではなく、あくまで試案なのでその点は御了承下さい。
下記の通り、慰謝料を算出する基礎として

1.離婚原因慰謝料+2.離婚自体慰謝料

があります。

慰謝料の算出方法

1.【離婚原因慰謝料】

浮気やDV,酒乱等、結婚生活中にそうした原因によって受けたであろう精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料を離婚原因慰謝料といいます。
離婚原因の種類別の相場は、

浮気/不倫 120万円~240万円
悪意の遺棄※ 60万円~240万円
暴力又は精神的虐待 60万円~120万円
その他の理由 12万円~120万円

上記金額は、それぞれの離婚原因によりまず算出される金額で、金額にむらがあるのはそれぞれ苦痛を受けた期間、回数、度合いにより考慮して決められるためです。
(※悪意の遺棄とは、わざと生活の協議義務を怠ること)

2.【離婚自体慰謝料】

上記理由の結果離婚する、という状況を招いた事自体に対する慰謝料。

計算式

[基本慰謝料(120万)+相手の年収の3%×実質的婚姻年数]×有責度×調整係数

参考事項

・実質的婚姻年数は、5年なら「5」、10年なら「10」になり、上限は「20」。
・有責度には、1.0~0.2の間の数字が入り、相手が一方的に悪い場合「1.0」
自分にも非がある場合は割合に応じて「0.9」~「0.2」の数字を入れます。お互い 同じくらい悪い場合「0」になり、離婚自体慰謝料は「0円」になります。
(そうなると離婚原因慰謝料分しかもらえません)
・調整係数とは、0.7~1.3の間の数字が入り、離婚後の生活の困難性によって
事情を勘案していくもの。例えば手に職を持ち、夫と同程度の収入がある女性なら
「0.7」で、専業主婦で全く職業経験のない女性なら」「1.3」となります。

具体的な浮気の慰謝料計算例

【ケース1】

A子さん36歳・専業主婦。結婚生活10年。
離婚原因は夫の長期に及ぶ浮気で一方的に夫が悪い。
夫は41歳・会社員。年収は720万。

離婚原因慰謝料

浮気(最高で240万)※今回は間をとって180万とします。

離婚自体慰謝料

[基本慰謝料(120万) + (年収720万×3%) × 実質的婚姻年数(10)] × 有責度(1) × 調整係数(1.3) = 436.8万〈合計 = 離婚原因慰謝料 + 離婚自体慰謝料〉

離婚原因慰謝料(180万) + 離婚自体慰謝料(436.8万)で、このケースでは
慰謝料総額は616.8万円となります。

【ケース2】

B子さん26歳・事務職で月収13万。結婚生活2年。
離婚原因は性格の不一致。離婚申し立てはB子さんからで夫は反対。
夫は28歳・会社員で年収は360万円。

離婚原因慰謝料

その他の理由(最高で120万)※今回は間をとって66万とします。

離婚自体慰謝料

[基本慰謝料(120万) + (360万×3%) x 実質的婚姻年数(2)] x 有責度(0.2) x 調整係数(0.9) = 25.5万〈合計 = 離婚原因慰謝料+離婚自体慰謝料〉

離婚原因慰謝料(66万)+離婚自体慰謝料(25.5万)で、
このケースでは慰謝料総額は91.5万円となります。

※金額を見て「安すぎる!」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、大まかな予想による計算で出た数字であり、これはあくまで裁判での話です。
話し合いでは大いに金額は変わってきます。相手から離婚したいと言われ、
自分は「別れたくない」という立場なら上記計算で算出した金額より多くもらえる可能性もあります。

浮気調査で高額慰謝料を勝ち取る!

浮気が原因で離婚を考えている場合、離婚原因慰謝料は120万~240万という金額に差があります。確実に高額な慰謝料を狙うのであれば、浮気を立証できる決定的証拠が必要不可欠です。
「費用がちょっと高いな~」と思っている方も多いと思いますが、
仮に調査費用に30万掛かったとして、最高額240万という慰謝料を勝ち取れたなら、証拠が弱いため120万しかもらえないより、調査費用を差し引いても90万多くもらえる事となり断然得と言えます。
また、「何もしていない」と断じて浮気を認めない場合、証拠がないと最悪の場合、浮気を認められない可能性も十分に考えられます。
そうならない為にも浮気の証拠はしっかりと掴んでおきたいところです。

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