離婚の種類
離婚の種類
離婚には「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4種類があり、流れとしては「協議離婚」→「調停離婚」→「審判離婚」「裁判離婚」の順になります。中でも協議離婚が全体の90%を占め、審判離婚、裁判離婚は全体の2%しかありません。
協議離婚 (民法第763条)
両者の合意のもと、納得して離婚する事を「協議離婚」と言い、裁判所や第三者が介入することもなく、双方のみの話し合いで離婚します。しかし、お互いが納得しスムーズに進む事は稀であり、大概お金や子供の事で折り合いがつかず、なんとか和解に持ち込んで最終的に協議離婚という形で落ち着くパターンが多く見受けられます。
協議離婚に際し、一般的に以下のことを決めます。
・子供の親権
・子供の養育費
・子供の監護権
・子供の氏
・子供の面接交渉権
・財産分与
・慰謝料
・離婚後の氏
・祭祀供用物の承継
その他、ご夫婦で取り決めをすることがあれば、それも話合いで決めます。
氏については、婚姻によって氏が変わった夫・妻は、離婚によって旧姓にもどす場合、離婚届けと一緒に「離婚の際に称していた氏を称する届」(婚氏続称届)を届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を継続して使用する(名乗る)ことができます。
期間は離婚の日から3ヶ月以内です。
調停離婚 (家事審判法第21条)
話し合いの末、折り合いがつかない場合、「調停離婚」となります。
調停を飛び越えて、審判離婚や裁判離婚はできず、まずは家庭裁判所に対して「離婚の調停」の申し立てをしなければなりません。調停離婚は全体の8%で、大抵の夫婦は協議離婚かこの調停離婚で解決します。
「調停」とは、簡単に言うと「裁判なんかしないで、第三者を交えてお互い冷静に話し合いしましょう」という事で、裁判とは違い裁判官も弁護士もいません。調停委員2名(たいてい男女1名ずつ)が双方の言い分を聞き、問題点を整理し解決の方法をアドバイスしてくれます。両者別々に話をするのが一般的なので、言い争いになるような事はまずありません。
※調停申し立てするには
調停を申し立てるには、最寄りの「家庭裁判所」の「調停受付」に行き、「調停申立書」をもらい、その用紙に必要事項を書き込み、戸籍謄本と住民票を添えて提出します。これだけの手順で調停の申し立てができます。 裁判所の受付で親切に教えてくれます。
※調停離婚の問題点
調停離婚が成立すると、裁判官と裁判所書記官が立ち会いの上、「調停証書」というものが作成されます。この調停証書を役所に提出すれば離婚成立となりますが、この場合、戸籍謄本に「調停離婚」と記載されます。
離婚後、いずれ再婚する時や将来子供の事を考えると、イメージが良くないと考える人も多く、そこで再び協議離婚に戻すという人もいます。
一方、調停に入ってからでも調停成立後でもいつでも協議に切り替えられます。戸籍謄本に調停離婚と記載される事を嫌がる人は、一度考えてみてもいいでしょう。
※ 北海道の家庭裁判所
・札幌家庭裁判所
〒060-0042 札幌市中央区大通西12丁目(011) 221-7281
・旭川家庭裁判所
〒070-0901 旭川市花咲町4丁目(0166) 51-6251
・釧路家庭裁判所
〒085-0824 釧路市柏木町4番7号 (0154) 41-4171
・函館家庭裁判所
〒040-0031 函館市上新川町1番8号(0138) 42-2151
上記の他に、地方に各支部や出張所もあります。
審判離婚 (民法第770条)
家庭裁判所が職権において調停における審判を下すものを「審判離婚」と言います。調停が不調となった場合、ある一定のケースにおいて、片方からの申し立てがなくても、
「調停にかわる審判」によって離婚をさせたほうがよいと判断した場合には審判を行い、離婚が成立すると審判離婚になります。
しかしながら、審判に不服がある場合は告知を受けた日から2週間以内に当事者が異議を申し立てることができることになっており、その場合には審判の効力はなくなり、離婚裁判を提訴しなければなりません。
裁判離婚 (家事審判法第24条)
協議離婚、調停離婚、審判離婚のどれも成立しない場合、地方裁判所に「離婚の訴え」を提起し、裁判所の判決によって離婚するものを「裁判離婚」と言います。
「離婚の訴え」は、「原告と被告は離婚する」という内容の裁判をもとめる訴訟であり、家庭裁判所の調停が不調になった場合のみ提起することができます。
通常、裁判官から和解勧告をするなど、できるかぎり話し合いで解決する努力がなされますが、和解ができない場合は判決を言い渡されます。
この裁判離婚は全体の約1%になり、裁判の期間も約1年必要です。